2019年に入り既に9社が新しく上場しましたが、そのすべてのIPOにおいて、初値が公開価格を上回る9連勝を記録しています。
値上がり益を比較的取りやすく、いつの時代も人気の高いIPO。今回はそんなIPOを多く扱う大和証券のIPO配分方法を解説していきます。
大和証券とは
大和証券の概要 | |
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本店 | 東京都千代田区丸の内1丁目9番1号グラントウキョウ ノースタワー 18F |
創業 | 1999年4月26日 |
預かり資産 | 65兆円 |
口座数 | 390万口座 |
支店数 | 124 |
大和証券は独立系証券ながらも、口座数は2017年6月末時点で野村證券、SBI証券に次ぐ業界第3位の約390万口座となっています。
また、取り扱うIPOも東証一部の大型案件からマザーズ市場などの小型案件まで幅広く引き受けがあります。
では早速、大和証券のIPO配分方法の基本的なルールを見ていきましょう。
基本的な配分ルール
大和証券のIPO配分ルール | |
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配分の割合 | 抽選 15〜25% |
裁量 75〜85% | |
資金タイミング | 抽選時点 |
資金拘束 | あり |
抽選方式 | 完全公平抽選 + 確率変動抽選 |
抽選結果の名称 | 当選・補欠・選外 |
当選後の辞退ペナルティ | なし |
NISA口座 | 可能 |
引受額全体の15%~25%が抽選に振り分けられます。
抽選分を10%前後と定めている証券会社が多いなかで、比較的オンライン取引顧客に優遇されたルールと言えるでしょう。
また、個人客への販売予定数量が20億円以上の場合、公平抽選枠が10%となり、20億未満の場合は15%の割り当てとなります。
公平抽選後、そこで当選しなかった顧客については別に5~10%が当選確率変動抽選にて割り当てられます。
大和証券では、顧客のステージに応じた当選確率変動当選(大和証券においては“チャンス当選”)が存在するのが大きな特徴です。
独自ルール
チャンス当選
では大和証券のチャンス当選とはどういった制度なのでしょうか。
こちらは、顧客が保有する「ダイワのポイントプログラム」の交換ポイント残高または顧客の「プレミアムサービス」におけるステージによって当選の確率が変動します。
「ダイワのポイントプログラム」
これは取引実績に応じて貯めることのできるポイントを指します。
例えば月間の株式・投資信託等の売買手数料10,800円ごとに100ポイントが付与されます。
このポイントが
1,000ポイント未満ですとチャンス回数は1回
1,000ポイント以上~2,000ポイント未満で2回
ポイント残高ごとにチャンス回数は増え、最大は10,000ポイント以上で10回となります。
「ダイワのプレミアムサービス」
こちらは大和証券の証券口座以外に大和ネクスト銀行口座を保有しており、なおかつ預かり資産評価額が1,000万以上であることが必要です。
預かり資産評価額が
1,000万円以上3,000万円未満でプレミアシルバー
3,000万円以上5,000万未満円でプレミアゴールド
5,000万円以上でプレミアプラチナのステージとなります。
チャンス抽選において、ステージが無い顧客はチャンス回数が1回となり、プレミアシルバーで3回、プレミアゴールドは5回、プレミアプラチナですと10回となります。
チャンス抽選では両者を比較して有利なほうのチャンス回数を適用することができます。
他社にはないシステムですので自身のステージやポイントはしっかりと確認しておきましょう。
取引コース
また、契約している口座のコースによって申し込みできるIPO抽選方法が異なりますので、その点も以下でみていきましょう。
取引コース | 裁量配分 | 抽選配分 |
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ダイワ・コンサルティングコース | 申込できる | 申込できる |
ダイワ・ダイレクトコース | 申込できない | 申込できる |
ダイワ・コンサルティングコース
コンサルティングコースでは個別に担当者がつき、じっくりと投資のアドバイスを受けながら取引ができるコースです。
その分、手数料も高いため、いわゆる大手証券会社のオーソドックスな口座のタイプで富裕層向けです。
大和証券では最も顧客数が多い取引コースだと思います。
大和証券は、IPOのうち75〜85%が裁量配分となるため、ほとんどがこのダイワ・コンサルティングコースの顧客に配分されますが、金融資産や取引実績によって決まるため、大口顧客が優先されます。
基本的には、IPOの申込みは担当者や店舗への電話で行いますが、オンライントレードでの抽選も申込みが出来ます。
異なる点としては、ダイワ・ダイレクトコースですと75%~85%を占める裁量配分への申し込みができないところです。
裁量配分の申込みは担当者や店舗への電話で行い、抽選配分の申込みはオンライントレードで行います。
ダイワ・ダイレクトコース
ダイレクトコースは担当者は付かず、オンライントレードやコンタクトセンターを通じての取引となります。
手数料はコンルティングコースより安く設定されているため、ネットで自分で取引する人向けのコースです。
手数料が安い分、コンタクトセンターや店舗での電話投資相談はサービス外となっており、IPOはオンライン経由での抽選申込だけとなっています。
裁量配分の残り15〜25%を、オンラインでの抽選で配分していきます。
ダイワ・ダイレクトコースでは、75%~85%を占める裁量配分への申し込みが一切出来ません。
オススメの取引コースは?
ではどちらの取引コースを選ぶべきなのでしょうか。
この記事ではIPOに特化してご紹介していますので、この場合はコンサルティングコースを選ぶことをお勧めします。
裁量配分ではありますが、全体の75%~85%の割り当て分に申し込みができるのは大きな違いです。
大和証券は大型のIPOにも強いので、裁量配分も選べるようにしておいた方が良いでしょう。
ダイレクトコースであっても、チャンス抽選では結局預かり残高や取引実績が反映されますので、大和証券でIPOを狙うのであれば、日ごろから大和証券をメインに利用するといいでしょう。
また、ポイント残高等が少なくても、そもそもの引受がかなり多いので、配分も十分に期待できます。
口座は必ず準備して、地道にコツコツと参加してみてはいかがでしょうか。