IPOは初値が付いた時に公募価格を上回る確率は8~9割と言われています。
そのため簡単に当選はしませんが、当選したら場合ほぼ確実に利益が出せると考えて良いでしょう。
こういったことから、株式投資経験者はもちろん初心者の方でも稼ぐチャンスが大いにあるのがIPO投資です。
そんなIPO投資を有利にするためには、証券会社選びも重要ですし、資金が小口の投資家はIPOの配分が平等なネット証券を積極的に活用すべきです。
今回はカブドットコム証券のIPO配分ルールを解説していきます。
カブドットコム証券とは
カブドットコム証券の概要 | |
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本店 | 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館6F |
創業 | 1999年11月19日 |
預かり資産 | 2.2兆円 |
口座数 | 111万口座 |
支店数 | なし |
カブドットコム証券は、三菱UFJフィナンシャルグループの中のネット金融サービスの中核会社にあたります。
同じグループには、三菱UFJモルガン・スタンレー証券もありますので、グループで2社証券会社があることになります。
それぞれが、小口の顧客向けと富裕層顧客向けで住み分けしているようなイメージです。
カブドットコム証券の特徴としては、メガバンクグループに属してますので、他のグループ会社と連携して高いサービスを提供しています。
また、自社のシステムを自ら開発して運用しているところも特徴の一つです。
加えて、「逆指値」(株価が〜円まで下がったら売りますという注文)などの自動売買をはじめに提供したのもカブドットコム証券と言われています。
主幹事の多さ
・2017年:0件
・2016年:0件
・2015年:0件
・2014年:0件
幹事の多さ
・2017年:27件
・2016年:19件
・2015年:16件
・2014年:12件
基本的な配分ルール
カブドットコム証券のIPO配分ルール | |
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配分の割合 | 抽選 100% |
裁量 0% | |
資金タイミング | 申込期間中 |
資金拘束 | あり |
抽選方式 | 完全公平抽選 |
抽選結果の名称 | 当選株数で表示 |
当選後の辞退ペナルティ | なし |
NISA口座 | 可能 |
100%抽選というのは、マネックス証券なども同じルールですが、完全平等な抽選であるので、投資初心者や小口投資家には有利なルールであると思います。
資金拘束は抽選時にあるので、その時までに忘れないように十分な資金を口座に入金しておきましょう。
また、抽選結果が株数で表示されています。これによって当選した株数が一目で分かるようになっているのでとても分かりやすくなっています。
独自ルール
後期型抽選
カブドットコム証券でのIPOの申し込みは後期型を採用しています。
後期型では、ブックビルディング申し込みと購入申し込みを2段階でする必要がありますが、IPOの抽選が購入期間中に行われるという特殊なルールです。
そのため、資金が必要なタイミングが他社よりも数日遅いということになります。
このルールを活用すると、他社でIPOに落選した場合、その資金をカブドットコム証券に移動させると、同日資金で2度抽選に参加することが出来ます。
よく勘違いされる方がいますが、ブックビルディングは通常のあらかじめ抽選参加期間中に行っておく必要があります。
遅くて良いのは、資金の入金だけです。他のスケジュールは全て他社と同じですので、勘違いしないように注意しましょう。
完全公平抽選
カブドットコム証券では、IPOの配分を100%抽選で行っています。
しかしなぜか、カブドットコム証券のホームページに掲載されている「募集等に係る株券等の顧客への配分に係る基本方針」によると、新規公開株の個人投資家への抽選による配分量は配分予定数量の10%以上とするとなっています。
「日本証券業協会「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」」を確認すると、過去の配分状況は抽選100%と報告されています。
ホームページにこういった記載があると、通常は10%かよくても20%程度であるケースが大半です。
実際に、野村證券や大和証券などの大手証券会社では、基本的に全体の10%程度しか抽選によって配分されません。
現時点では、カブドットコム証券が大量のIPOを引き受けている訳でもないので、全体で2,000株程度しかありませんので、ルール通りに配分しようとすると、200株を裁量となりますが、こうなってしまうと社内でモメますし、事務処理も面倒になります。
「株数が少ないから面倒だし全部抽選にしている」といった状況と考えるのが妥当でしょう。
今後、カブドットコム証券のIPO引受株数が増えてくると、裁量配分の割合が大きくなってくる可能性が高いです。
NISA口座
カブドットコム証券ではNISA口座からIPOに申し込むことができます。IPOは値上がりによる利益が大きくなりやすいので、源泉徴収される税金も多くなります。
そんな時にNISA口座であれば非課税にできるので、これを機に口座開設をしてみても良いでしょう。
ただし、NISA口座は1人1つの金融機関までの設定しか出来ません。IPOの当選確率が高く、相性の良い証券会社で開設するようにしましょう。
IPO当選確率アップのコツは?
カブドットコム証券は主幹事証券になることはありませんでしたが、幹事証券として相当な件数のIPOを取り扱ってきました。
その幹事を担っているIPOは、実はすべて三菱UFJモルガン・スタンレー証券から委託販売されているものです。
これは冒頭で書いたように、三菱UFJモルガン・スタンレー証券とカブドットコム証券は同じ三菱UFJフィナンシャルグループに属しているためです。
目論見書を隅々まで読むと、小さい字で委託販売について記載されています。
つまり、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を担うIPOの場合は、その多くの株式をカブドットコム証券に委託すると予想ができ、カブドットコム証券での当選確率が高くなると考えられます。
なので、少しでもIPOの当選確率を上げるためには、IPOを見つけたら主幹事がどこかを必ずチェックします。
主幹事が三菱UFJモルガン・スタンレー証券だった場合は、カブドットコム証券でも申し込むようにするのが良いでしょう。
これであれば初心者の方でも簡単に実践できるので即効性があり、非常におすすめです。
まとめ
カブドットコム証券は三菱UFJフィナンシャルグループのグループ会社であるため、その繋がりを使って多くのIPOを引き受けています。
そして、配分割合の100%が抽選であるため、初心者や小口投資家だからといって確率的に不利になるということもありません。
なので、誰でも継続的に申し込みをしていけば、当選する確率は大いありますし、期待できると思います。
そういった点では初心者の方がIPO投資をするために口座を作るべき証券会社としておすすめできます。