株について勉強していくと、それぞれの株に特徴があって投資家の投資目的に合ったものを選ぶ必要があることが分かります。
しかし、自分の投資目的に合ったものを選べと言われても初心者の方々にとっては難しいと思います。
この記事では、株の特徴を分類していく上で、代表的なものである成長株と割安株について特徴をまとめて比較検討をしていきます。
IPO株とは
IPO株とは、これまで未上場だった企業が取引所に新規上場し、これからも業績が高い成長をしていくことが期待できる株式のことです。
厳密には定義していないため、最近マザーズに上場した会社をイメージするとわかりやすいと思います。
バイオベンチャーなどの新興銘柄や、最近ではAI関連のIPOが投資家の注目を集める傾向があります。
上場日に初値がいくらなのか、それも重要です。
しかし、IPOの中には上場後、ひたすら成長を続け数十倍の株価を記録する銘柄も多くあります。
IPOや新興銘柄に該当する銘柄は、特に高い業績の成長を期待されています。
必然的に、株価も割高になる傾向があります。
米国株ですが、「Amazon.com ,Inc」が代表的な例として有名でしょう。
その時の株価によりますが、PER(株価収益率)が90〜100倍であることを踏まえると、相当先の利益まで織り込んだ株価であることがわかると思います。
アマゾンがこの株価を維持するには、毎年凄まじい伸びを継続しなければなりません。
つまり、業績予想が下方修正されたり経営者が交代するなど、そういった要因で株価は暴落する可能性があります。
IPOに申し込むのではなく、単純に新興銘柄を買う場合、見方によってはハイリスク・ハイリターンの株とも捉えられるでしょう。
また基本的には、IPO株や新興銘柄は企業の規模が小さいため、直近IPOした銘柄や、マザーズの最低投資金額が小さい銘柄などが何かをきっかに急騰することが多いです。
新興銘柄に投資するメリット
・業績の成長が維持されれば、大きな利益が得られる。
・最低投資金額が小さいことが多い
成長株に投資するデメリット
・投資家の高い要望に答え続ける必要があり、業績が悪化すると暴落する。
成長株の判断方法
・直近のIPO銘柄や、マザーズの小型株など。
大型株とは?
大型株とは、トヨタやソフトバンクグループなど、昔から上場している大手企業の株のことです。
大型株の中でも、割安で買いやすい銘柄は、業績の成長が毎年著しいというわけではなく、業績の伸びが小さいか、もしくは殆ど成長してない銘柄も含まれます。
業種も製造業などが多く、AI関連のように注目度が高い訳ではないので、投資家から注目されずに放置されていて、株価が本来の適正株価より安くなっていることもあります。
先ほどのアマゾンの例では、PERが90〜100倍とありましたが、こういった会社のPERは5〜10倍であることもあります。
適正な株価より低い位置で買付ができれば、大きなアクシデントがなければ、将来的には本来の適正株価に戻っていきます。
成長していなくても、業績が安定していれば長期間にわたる配当収入も期待できます。
ただし、そんなに簡単に投資できれば損する人はいない訳で、単純に適正株価より低いだけであれば良いのですが、そのまま放置されるには必ず理由があります。
大塚家具が一番分かりやすい例でしょう。
数字だけ見れば、嘘みたいな割安な水準です。
しかし、無能な経営者が大株主(娘)であるという、もはやコントロールできない状況にあります。
通常であれば、娘を株主総会でクビにできますが、元々家族経営の会社で株の大部分を大塚家が保有していますので、それが出来ない訳です。
こういった数字だけでわからない要素を見落としてしまうと、株価が上昇しないどころか、塩漬け状態もしくは紙切れになってしまう場合もあるので注意しなければなりません。
大型株は比較的、ローリスク・ローリターンであることが多いです。
長期的な視点で株式投資をしたい方、株価チェックする時間がない方などにはピッタリの投資と言えるでしょう。
低成長をしている大型株は大企業であり、一般の人がよく知ってる会社名であることも多いです。
東証一部の中から、PERが低く、聞いたことある会社を探してみるのがいいでしょう。
大型株に投資するメリット
・財務的に安定しており、比較的ローリスクな投資
・長期的に安定した値上がりが期待できる。
大型株に投資するデメリット
・割安な理由を見誤ると、紙切れになってしまうことも。
・最低投資金額が大きいことがある。
大型株の判断方法
・企業のIR情報から過去5年以上、業績が安定的に推移している。
・PER(株価収益率)が低く、知っってる社名であることがある。
IPO株と大型株の比較
株式投資においては様々な銘柄を保有して、分散投資をしていくことでリスクを軽減することができます。
メリット | デメリット | 判断方法 | 目的 | |
---|---|---|---|---|
成長株 | 成長更新による、大幅な値上がり | 成長鈍化による株価が低迷・急激な値下がり | 長期的な業績の成長 | リスクを取っても、多く稼ぎたい。 |
割安株 | 長期的に安定した値上がり | 値上がりまでに時間がかかる可能性 | 業績が安定的に推移。 PERが低い | 安定的に投資していきたい。 |
IPO株と大型株の特徴を以上の表にまとめました。
それぞれの投資にメリットとデメリットがありますので、自分に合う方をメインに投資していくのが良いでしょう。
特に投資初心者の方なかでも、リスクテイクして利益を出すことを重視したいという方は、割安株:成長株の比率を「2:8」や「3:7」の割合にして、ポートフォリオを考えながら投資しましょう。
一方で、なるべくリスクを抑えた運用で、ローリスクな投資をしたいという方は「8:2」や「7:3」の割合で投資していくことをおすすめします。
こうすることで、万が一投資先の経営が傾いたり、相場全体が急落した場合でも、分散が効いているので、ある程度損失の幅を限定することができます。
さいごに
ここまででIPO株と大型株の違いを知り、ご自身の目的に合った投資をしていくヒントになったかと思います。
それぞれのメリット・デメリットを把握しているだけでも、すぐに利益が出なかったとしても冷静に対応できるようになります。
そのように落ち着いて投資と向き合っていけることはとても大事なことです。
そして、この記事で学んだことを活かして、読者の方々により良い資産形成をしていっていただくことを望みます。
ただ、株の銘柄は本当に多くあり、それらを見分けていく方法はまだまだたくさんあります。
なので、今回で学んだことだけでなく、それらもしっかりと学びながら、投資をしていくことで、最大限の投資による恩恵を受けていくことが可能になるかもしれません。