大英産業の上場が承認されました。福岡証券取引所に上場するという、珍しいIPOです。
主幹事もエイチ・エス証券という、これも珍しいパターンで、不動産という業種も踏まえると、かなりマイナー系のIPOです。
人気化するIPOではないので、数字などから慎重に参加するかどうかを判断する必要がありそうなIPOです。
基本データ
会社概要
会社名 | 大英産業株式会社 |
---|---|
市場 | 福岡証券取引所 |
URL | https://www.daieisangyo.co.jp/ |
設立 | 1968年11月 |
上場スケジュール
仮条件決定日 | 5月16日(木) |
---|---|
ブックビルディング | 5月20日(月)~5月24日(金) |
当選者発表 | 5月27日(火) |
申込期間 | 5月28日(火)~5月31日(金) |
上場日 | 6月4日(火) |
価格&マーケット
想定価格 | 1,500円 |
---|---|
仮条件 | 未定 |
公募価格 | 未定 |
吸収金額 | 604,800,000円 |
---|---|
時価総額 | 1,839,264,000円 |
株式関連データ
主幹事証券会社はエイチ・エス証券です。かなり久しぶりの主幹事です。
公募株数が多く、売出株数が少ないので、これはプラス面でしょう。当選株数は少ない部類のIPOです。
当選株数
発行済株総数 | 3,252,000株 |
---|---|
公募株数 | 312,000株 |
売出株数 | 123,000株 |
OA売出 | 15,000株 |
合計当選株数 | 450,000株 |
引受証券会社
証券会社 | 株数(株) | 比率(%) |
---|---|---|
エイチ・エス証券株式会社 | 未定 | 未定 |
SMBC日興証券株式会社 | 未定 | 未定 |
岡三証券株式会社 | 未定 | 未定 |
株式会社SBI証券 | 未定 | 未定 |
FFG証券株式会社 | 未定 | 未定 |
西日本シティTT証券株式会社 | 未定 | 未定 |
マネックス証券株式会社 | 未定 | 未定 |
ひろぎん証券株式会社 | 未定 | 未定 |
合計 | 未定 | 未定 |
事業内容
九州・山口で累計販売7,700戸※を超える「サンパークマンション」や新築分譲住宅「サンコート」など、住まいのあらゆるサポートを手がけています。人を幸せにする“総合住宅不動産会社”こそ、私たちが歩むべき道です。(ホームページより引用)
九州を地盤とする不動産会社です。
新築分譲マンションをはじめ、一戸建ても取り扱っているようで、それ以外にも投資用マンションの販売等も事業内容に含まれています。
IPOとしては、かなり地味な部類の事業内容でしょうし、人気化しないでしょう。
不動産事業そのものだけに関して言えば、まだ投資用マンションの販売などは一定の需要がありそうですし、事業の収益性も高いと思うので評価できる部分も大いにあると思います。
しかし、東京でなく地方が地盤の不動産事業というのは、やはり将来性は評価されづらいですし、投資家から見ると事業そのものの魅力はないですね。
株主関連データ
大株主はほとんど180日のロックアップがかかっており、持株会のみ対象外となっています。
株数はごく少数なので、初値への影響はほとんどないでしょうし、1.5倍で解除されないのはプラス材料です。
ただし、ストックオプションのうち172,500株分が、上場時から行使される可能性があり、潜在的な売り圧力となります。
今回の上場規模からすると、かなり株価には大きな影響があると思われ、上場後の一定の売り圧力が予想されます。
大株主&ロックアップ
氏名 | 株数(株) | 比率(%) | ロックアップ |
---|---|---|---|
大園 信 | 1,441,800 | 44.4 | 180日 |
一ノ瀬 知子 | 821,400 | 25.29 | 180日 |
大園 英彦 | 300,000 | 9.24 | 180日 |
つむぐ株式会社 | 285,000 | 8.78 | 180日 |
大英産業従業員持株会 | 72,840 | 2.24 | |
宮地 弘行 | 52,350 | 1.61 | 180日 |
一ノ瀬 謙二 | 41,685 | 1.28 | 180日 |
岡本 達暁 | 24,975 | 0.77 | 180日 |
茅原 嘉晃 | 24,975 | 0.77 | 180日 |
竹内 和紀 | 24,975 | 0.77 | 180日 |
その他 | 157,500 | 4.85 | |
合計 | 3,247,500 | 100 |
ストックオプション
株数(株) | 上場行使(株) | 行使価格 | 行使期間 | |
---|---|---|---|---|
第1回 | 172,500 | 172,500 | 634円 | 2018年12月22日 |
2026年12月21日 | ||||
第2回 | 67,500 | 0 | 794 | 2019年8月19日 |
2027年8月18日 | ||||
第3回 | 27,000 | 0 | 794 | 2019年12月28日 |
2027年12月27日 | ||||
第4回 | 40,500 | 0 | 1,234 | 2020年6月20日 |
2028年6月19日 | ||||
合計 | 307,500 | 172,500 | - | - |
業績推移
業績ハイライト
決算期 | 2014年9月 | 2015年9月 | 2016年9月 | 2017年9月 | 2018年9月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 18,987,408 | 22,528,471 | 25,270,278 | 23,271,000 | 27,664,403 |
経常利益 | 638,165 | 723,783 | 856,019 | 997,544 | 956,300 |
当期純利益 | 298,789 | 403,798 | 579,162 | 701,236 | 574,245 |
純資産 | 1,949,061 | 2,340,984 | 2,914,845 | 3,596,124 | 4,156,104 |
ROE | 16.55 | 18.82 | 22.04 | 21.56 | 14.81 |
BPS | 662.95 | 796.25 | 991.44 | 1,223.17 | 1,413.64 |
EPS | 101.63 | 137.35 | 196.99 | 238.52 | 195.32 |
初値予想
事業内容や需給バランスから考えると、マイナス要素が多く、また主幹事がエイチ・エス証券ということなので、買い支えによる株価の維持は期待できません。
そもそも上場先が福岡証券取引所なので、上場日はともかくとして、その後の出来高はかなり減少するでしょう。
ストックオプション行使による潜在株数も無視できない規模なので、初値がついた後、乱高下する可能性もありそうです。
また、地方の不動産業者という、IPO的には事業内容がかなり不人気で、長期的な成長を折り込みづらいのもマイナス要素です。
一方で、業績面では絶好調とは行かないまでも、小規模ながら安定している傾向があります。
PERやPBRの面から考えると、想定価格の1,500円というのはかなり割安な水準です。
同業他社の水準を踏まえると、初値は10%程度の上昇余地はあると思われますので、公募割れはギリギリしないような気がします。
1,600 〜 1,750円